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2008年8月20日 (水)

「断章のグリムVIII なでしこ・上」甲田 学人★★★☆☆

「断章のグリムVIII なでしこ・上」甲田 学人
電撃文庫 ISBN:978-4-04-867172-9

D_2 「断章のグリム」は、蒼衣の断章の性質もあって、ホラーと言いながらもミステリ仕立てですよね。ですから、小説の評価的には、下巻を読んでからが正しいような気もするんですが、一先ず感想をば書いておきます。
知り合いにも「断章のグリム」を読んでいる方がいるので。(笑)

今回は、上下巻の上です。

ということで出版社から、あらすじを引用しておきます。

あらすじ:
鬼才・甲田学人が贈る悪夢の幻想新奇譚、第八幕!

七月初め。金森琴里が自殺した。自分を責め、琴里の机の上に置かれた花瓶の前で落ち込む恋人の石田臣は、やがて無言のまま乱暴に一本の白いユリを引き抜き、立ち去っていく。机の上にこぼれた水が広がり、その上に人間の足跡が浮かび上がったことに気づくこともなく──。
人魚姫の<泡禍>事件から二ヶ月。一人残された海部野千恵を見舞いに、蒼衣は雪乃と離れ、再び海辺の町を訪れる。そして、蒼衣の目の前で繰り広げられたのは、琴里の母親の惨劇。彼女の死を悼み臣が持ち帰った白いユリは、決して枯れることもなく静かに風に揺れていた──。

感想:
「断章のグリム」は、グリム童話を下敷きにしているために、その童話によって面白みが変わってくる気がします。「なでしこ」はさすがに知らなかったので、苦しい展開かなと思います。

しかし、「断章のグリム」の主人公が蒼衣である限り、断章の性質から謎解きをしないといけないわけです。で、ペダンティックな謎の背景の語りが、「断章のグリム」の面白さの全てなら、童話があまり有名でない時点で興味が薄まります。ところが、「断章のグリム」は、犯人<泡禍>当てのミステリ小説でもあるので、誰がの謎が強ければ別の興味で引っ張れるわけです。

ということで、今回は、なでしこが弱い分童話に絡む部分の書き込みよりも、友人間の人間関係などの描写にページが割かれています。これが成功するかどうかは、最後にあるかどうか分からないどんでん返しにかかっているんでしょう。

あと、雪乃が「なでしこ」の中で重要な役割りをするようなので、彼女がどう絡んでくるかでしょうか。

<以下、本の中身に言及している部分があります。未読の方はご注意を>

さて、人間関係ということでは、人魚姫で登場したあの少女がチラチラしていますが、どう絡んでくるのでしょうか。

最後は彼女、千恵が中心となって破滅するような感じがするンですがどうでしょう。

あと、琴里の自殺と<泡禍>が関係しているようなので、潜有者は臣意外にあり得ない気もしますが、そうすると千恵に繋がらないしなぁ。やっぱり...。

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「断章のグリムVIII なでしこ・上」甲田 学人★★★☆☆を参照しているブログ:

コメント

こんばんはです。

「なでしこ」ってタイトルのグリム童話があったなんて、もちろん知りませんでした。
そのような読者が多いことを見越してなのか分かりませんが、
その童話がどのような物語なのかについての説明が多かったかと思いました。
・・・今までのシリーズでもそうでしたっけ?(汗

でも、童話を知らなくても僕は充分に楽しんでいます。
童話は、「断章のグリム」を楽しむもう一つの面であると僕は思いますので。
どちらかと言えば、蒼衣や雪乃らの行動や心情に重きを置いて読んでいます。

何かしらの「どんでん返し」はあるんでしょうね。
一読者としては、あって欲しいです。

千恵は死んでしまうかなぁと考えています。
根拠としては、上巻で彼女があまり事件に絡んでいないのと、彼女の
「断章」が一度しか発動していないからです。(発動した「断章」が暴走して死ぬ・・・?)
・・・「物語の流れ」で述べている感じは否定しません。(苦笑
主人公らを除いて、物語の途中で「断章保持者」になり生きているのは彼女だけなので。(ですよね?)
千恵には、生き残っていて欲しいという気持ちもあるんですけどね。

下巻も楽しみです。

マサさんお待ちしておりました(笑)。

>その童話がどのような物語なのかについての説明が多かったかと思いました。
確かに多かった気がしますね。
今までは、こういう解釈もできるという部分が分厚かった気がします。今回はそれより、内容紹介ですね。

>蒼衣や雪乃らの行動や心情に重きを置いて読んでいます。
ちょっと、雪乃には共感できないので、彼女にシンクロすると苦しくなります。(汗)

>千恵は死んでしまうかなぁと考えています。
>千恵には、生き残っていて欲しいという気持ちもあるんですけどね。
やっぱり、彼女が暴走しそうな雰囲気がありありとしますよね。それはそれで、せっかく助かっているのに悲しいですが。

>物語の途中で「断章保持者」になり生きているのは彼女だけなので。(ですよね?)
あぁ、そうですね。うん、確かに。
やっぱり、人が死にすぎだよなァ(汗)。

では下巻でもよろしければお願いいたします。

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