「ムシウタbug 8th.夢架ける銀蝶」岩井 恭平★★★★☆
「ムシウタbug 8th.夢架ける銀蝶」岩井 恭平
角川スニーカー文庫 ISBN:978-4-04-428821-1-C0193
新年一発目は、「ムシウタbug」です。
長く続いた「ムシウタbug」シリーズもいよいよ完結です。表紙は、当然一之黒亜梨子ちゃんです。色々蒔かれた種がどう収拾されるのか、本編にどう続いていくのか気になりますね。
ということで、前振りはほどほどにして感想に行きます。
ということで、出版社からあらすじを引用&修正します
あらすじ:
流星群が降り注ぐ中、亜梨子と大助の最後の戦いが始まった――。
大喰いを倒し虫憑きの生まれない世界を作るため、「ムシウタ」世界のバグである亜梨子の戦いの結末とは――!?
大人気シリーズついに完結!
感想:
「ムシウタbug」は、今まで本誌連載の関係もあってか、短編集の形態を採っていました。今回も短編集の形態なんですが、内容は全て続きの長編です。
ということで、いつもは短編ごとの感想を書いていたのですが、今回はやめます。
未読の方が一番気になるのは、今まで蒔かれたネタが収拾されるのか、本編にどう続くのか、本編側で仄めかされている謎の解が示されるのかだと思います。
先に言っても問題ないと思いますので書いておくと、全てきれいに収まっています。やはりああなるのか、という部分もありますが。
実は自分は、ひょっとしてパラレルワールド的な収拾になってしまうのではと気にしていたのですが、それはなかったです。それどころか、あぁそれだから本編でそうなっているのかという感じで感心してしまいました。特に気になっていたのが、“不死”一玖皇嵩の扱いだったのですが、上手く処理されていました。
<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレにはならないようにしますが、未読の方はご注意を>
本編では、一号指定の虫憑きが“かっこう”、“ハルキヨ”、“ふゆほたる”、“レイディー・バード”の他にもう一人いることが示唆されていました。で、そのもう一人の一号指定が眠りに付いているということだったのですが、考えると成虫化した“レイディー・バード”と“ハンター”の可能性があったのですが、それがきちんと説明されていました。それでそういうことだったのですね。
もう一つ、モルフォチョウの秘密。なぜ、花城摩理のモルフォチョウだけが本人が死んでも生きていたのかという秘密が解きあかされます。この設定もうまいですね。
この二つについては、恐らく最初から考えてあったんでしょうね。それが最初からあって、あとから肉付けがされたのではという気がします。前巻のアリア・ヴァレイの処理といい、上手く設定が構成されています。こういう謎というか、背景が気になる性格なので、それが上手く嵌まるとすごく嬉しくなってしまいます。
それは前巻でリナと大助が出会った部分にも言えます。本編ではアレだけ敵対していたのに、亜梨子の仲介で手を組みそうな雰囲気だったのでどうなるのかと思ったのですがそうきましたか。う~ん。ならば、大助が亜梨子のことを説明していれば、リナと大助の敵対はなかったのではないかな?まぁいいか。
それはそうと、途中、亜梨子が闘う決意をするところで、ちょっと中だるみがありますが、それは必要な中だるみだとも言えます。それがあるから、虫憑きがどんなに哀しいものかが強調されるという感じでしょうか。
ところで、これで最後にもう一度本編とbugが交わる可能性が出てきましたね。というか、そうなると大喰いは倒せなくなっちゃうかもしれませんが。いや、大喰いが倒れれば、bugに戻るのか。
ということで、早く本編の続きが読みたくなりました。お願いしますです。

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