「舞面真面とお面の女」野﨑 まど★★★半☆
「舞面真面とお面の女(まいつらまともとおめんのおんな)」野﨑 まど
メディアワークス文庫 ISBN: 978-4048685818
さて、大きな声では言えませんが、実は結構読んでしまっているメディアワークス文庫から、野﨑 まどさんの「舞面真面とお面の女」です。読んでから、既に2週間近く経っていますが、今頃になって感想を書きます。
第16回電撃小説大賞「メディアワークス文庫賞」とかを受賞したらしいのですが、電撃小説大賞は知っていても「メディアワークス文庫賞」なんて知りませんがな。(苦笑)
デビュー作らしい「[映]アムリタ」がそこそこ面白かったので読んでみました。というか、半分は表紙買いですね。(苦笑)1作目からしてそうなんですが、どうやらミステリを軸にしたジャンルミックス的な作風の方のようです。
ということで、ささっと感想を。
ということで、出版社からちょろっとあらすじを引用します。
あらすじ:
工学部の大学院生・舞面真面(まいつらまとも)は、ある年の暮れに叔父の影面(かげとも)からの呼び出しを受け、山中の邸宅に赴く。 そこで頼まれたこととは、真面の曽祖父であり、財閥の長だった男・被面(かのも)が残した遺言の解明だった。
――箱を解き 石を解き 面を解け
――よきものが待っている
従姉妹の水面(みなも)とともに謎に挑んでいく真面だったが、謎の面をつけた少女が現われたことによって調査は思わぬ方向に――?
〈メディアワークス文庫賞〉受賞者、野﨑まどが放つ怪作登場!
感想:
内容的には、最初に書いたように、ミステリを軸にした伝奇物っぽい小説です。というか、タイトルを見ても分かるように、最近非常に増えてきた「西尾 維新」フォロアーの一人っていう感じでしょうか。ミステリを機軸にすることからも、そういう感じですね。人物造形がアレなのも含めて。
とはいえ、メフィスト賞と電撃文庫大賞という応募した土俵も似ているようで若干違うように、西尾 維新さんよりも若干軽い感じがします。悪く言えば文章に粘りがないというか、良く言えば読みやすい。これは、メディアワークス文庫全般に言えることなんですが。
これは、メディアワークス文庫が、ポプラやJIVEなどから引き抜いていることからも分かるように、ヤングアダルト層を狙っているというか、アフターラノベを狙っていることにも起因していると思います。後は、最近のラノベが萌え系に傾きすぎて、境界線の作家に棲みにくい場所になりつつあるのと、普通に小説が好きな人達ちが離れてしまっているのを取り込もうというのかもしれません。
話が逸れました。
<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレはしないつもりですが未読の方はご注意を>
で、この小説は、文章的には軽いのですが、ラノベよりは明らかに書き込んであります。その分、ミステリとしてもそこそこ読めるようにはなっていると思います。ただ、そこがこの小説の落とし所ではないのでしょうが。やはり、あの仕掛けがポイントなんでしょう。
その仕掛けが、帯に書かれている『革新的』という部分で、この小説を評価するポイントだとすると、ちょっとくいたりないですね。いわゆる、新本格でもラノベでも仕掛けられるようなネタだと思います。
確かに、ラノベを読んだことがない人に取っては、ちょっと異質な毛色の変わったミステリに見えるでしょう。でも、メディアワークス文庫の狙いは、ラノベ卒業者(?)なのでしょうから、そういう読者には、橋渡し本になっても印象に残るものではない気がします。一作目の「[映]アムリタ」の方がそういう意味では面白かったかも。
ただ、期待はできる人だと思うので、もう少し読んでみたいと思います。
http://novelno.net/archives/2010/04/25-223630.php

コメント