「クロノ×セクス×コンプレックス」(2) 壁井 ユカコ★★★半☆
「クロノ×セクス×コンプレックス
(2)」壁井 ユカコ
電撃文庫 ISBN:978-4048684057
洗濯が終了するまでの間に感想記事をばということで「クロノ×セクス×コンプレックス」の2巻です。
元々は、7月発売だったはずなんですが、絵師が交替するドタバタで結局1ヶ月発売が延期になりました。体調不良との公式発表ですが、何か揉めたんですかね。
絵自体は、前のデンソーさんの方がなんとなく好きです。なのでちょっと残念ですね。
ということは置いておいて、この「クロノ×セクス×コンプレックス」は、タイムトラベルのSFを主軸に置いて色々な要素を散りばめた非常に楽しめる物語だと思いますので、楽しみです。
ということで、感想行きます。
まず、出版社からあらすじを引用します。
あらすじ:
波乱の選挙を経てホーライ会に入り、もとの世界へ戻る<道(ホール)>を使用する権利を得たミムラ。しかし、なかなか戻る決心ができずにいた。
一方、男子寮ではバーニーという女嫌いの男子が時間に干渉するウサギをめぐるトラブルに見舞われていた。それに巻き込まれたミムラは本来同性であるバーニーに気安く接し、バーニーも普通の女子とは違いさっぱりした性格のミムラに憎からぬ気持ちを抱く。けれど、ミムラの正体を考えるといろいろ問題があるわけで……。
ウサギが巻き起こす騒動と二人の関係の行方は果たして!?
感想:
第1巻は、タイムトラベルを主軸にジャンルミックスされた非常に面白いお話しでした。で、2巻も期待して読んだのですが、ちょっと肩透かし気味でしょうか。
この2巻は、物語として非常に凝った構成になっています。ネタバレせずに書くのが難しいので、ちょっと警告を入れておきます。
<以下、本の中身に言及している部分があります。未読の方はご注意を>
この2巻の主人公は、ミムラではなくて、ミムラとバーニーになっています。
小説的には三人称で描かれていますが、視点は主にその主人公に固定されています。そして、その主人公が二人になっているため、どちらの視点で描かれているかを意識する必要があるため、ちょっと散らかったイメージがあます。
さらには、こちらの方がポイントなんですが、とある理由から二人の主人公の時間軸がずれます。というかずれているのはバーニーなのですが。物語のスタート時点はミムラ視点でミムラの時間軸で物語が描かれるのですが、次第にバーニーの時間軸で描かれた物語を混在し、中盤以降はバーニーの時間軸にミムラの時間軸が嵌まったときにミムラ視点で物語が描かれる構成になっています。
壁井さんの文章が達者なのでまだ読めますが、このため非常に感情移入しにくくなっている感じで、ライトノベルとしては苦しいかもしれないのではないでしょうか。やるならば、バーニーの時間軸で固定し、そこにミムラ視点を交える方が良かったかもしれません。
ただ、小説的には面白い試みのような気がします。
もう一つ感情移入しにくくしている要素に、もう一つのテーマがあります。男女入れ替わりですね。第1巻は女の子ばかりだったので、ミムラを女の子として考えれば読むことに問題なかったのですが、2巻はバーニーという男の子が登場し、しかもミムラに好意を抱いてしまいます。ノーマルな(苦笑)自分は、男性と分かっているミムラに好意を抱くことは難しいです。
また、ミムラが女性として振る舞ってくれればいいのですが、非常に鈍感で女性になりきろうともしないので、ミムラにも感情移入しにくい。自分だったら、もっと女性として振る舞うのになんて思ってしまうのですね。なので、どうも第三者的な感じで読んでしまって、ラノベとしては感情移入できていない感じになってしまいました。
しかし、2巻になって、1巻よりも入れ替わりについての重要な問題が提示されていました。自分ももし入れ替わったなら、あれは怖いだろうなぁって思いますです。
ただ、物語としては面白いです。様々な謎が織り込まれており、それもミステリ的なものから、SF的なものまであって非常に楽しめます。
第3巻では、ミムラ視点に戻っていただいて、物語を進めていただけると嬉しいです。まぁ、あの人が登場したので、バーニーが引っ込むことはないのでしょうけれど。あと、自分は結構ツンデレ派なので、オリンピアがお気に入りです。彼女の活躍もお願いします。

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