「ビブリア古書堂の事件手帖 2」三上 延★★★半☆
「ビブリア古書堂の事件手帖 2 ~栞子さんと謎めく日常~」三上 延
メディアワークス文庫 ISBN:978-4048708241
なんだか、3月に出版された『ビブリア古書堂の事件手帖』の1巻が、かなりベストセラーになっているようですね。本当は、来週の木曜辺りに感想を書こうと思っていたんですが、1巻へのアクセスが急増しているのです。2巻の感想を探されているかもと申し訳ない気になったので、取り急ぎ2巻の感想も書いておきます。
1巻の感想で、メディアワークス文庫の戦略に言及しましたが、結局位置付け的にはラノベだといっても良いと思います。表紙もそうですしね。ちなみに、表紙はホームズ役の栞子さんです。1巻の方が絶対にいいなぁ。どこがといわれても困りますが、1巻が売れたのはあの表紙の力も大きいと思いますよ。
さて、三上 延さんは、元々はラノベ畑の人ですが、この本のおかげで一般書も書けそうですね。
とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。
あらすじ:(公式より引用)
鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。
だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。
変わらないことも一つある──それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。
まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。
青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき──。
大人気ビブリオミステリ、第2巻の登場。
感想:
ビブリアとは、ラテン語で「本を愛する人」の意味だそうです。ビブリオとは、書籍ですね。
ということで、大人気となった『ビブリア古書堂』シリーズの続編です。このシリーズは、雰囲気と、栞子さんの古書に対しての蘊蓄を楽しむ小説かと思います。悪くはないので、興味がある方、表紙に惹かれた方は読んでも損はないと思います。全体としては、ラノベの範疇だとは思いますが。
元々、古書とそれにまつわる出来事を古書を中心に解き明かして行くということから、日常の謎系のミステリの範疇に含まれると思っていましたが、この2巻はその色合いが更に強くなっています。
自分は、1巻をあのラストの後味悪いエピソード、事件解決が無ければ面白かったのにって感じで読んでいました。なので、どちらかというと、この2巻の方がより楽しめたりしています。
ただ、主人公が本を読めないのは、栞子さんに本の薀蓄を語らせる為の手段だとは思いますが、やっぱり継続して勤務するんですからちょっと不自然です。それが、シリーズ全体の大きな傷になっている気がします。1巻のラストで、これからは読めるようになったでよかったんではないかなぁ。それが無ければ、もっと面白い構成も取れるんではないでしょうか。
恐らくは、このシリーズのヒントはラノベの『文学少女』シリーズにあるんだと思いますが、あちらは本歌取りする小説を上手く昇華させて組み込んでいますよね。原作を知らないだろう読者への説明も含めて。
さて、今回は大きく3つの物語と、シリーズ全般に関わるだろうプロローグ、エピローグという構成で作られています。
それぞれの章で取り上げられる本と簡単な感想を。(ネタバレは避けます)
◆プロローグ/エピローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)
ははぁ。シリーズは続くですね。そのうち、モリアーティ教授よろしく、あの人が出てくるのでしょう。
いまのところ、この伏線に評価はできません。尚早。
◇第1話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)
おお、読んだ事がある本が。しかも、このネタは知っているし、読んだのは感想文のネタとなっている本ですね。
ラストのどんでん返しは、まず一番最初に思いつきました。ちと安易かも。
◆第2話 福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)
あの作家の本は、歴史小説を少し読んだだけですね。『国取り物語』とか。
悪意が善意に反転する所が、結構気持ちよかったです。仕掛けが無理筋とは思いながらも、この3本では一番面白かったです。
◇第3話 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)
悪意と善意とという意味では、こちらはそれをメインに据えたお話です。冒頭の伏線に気づけば、すぐに「アレっ?」と引っかかるはず。それに証拠はりませんが。
不思議に後味は悪くないです。
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漫画は読むし、コレクター的にある作家を追ったりするのは男の本懐(嘘)ですが、古書には行きませんね。ハヤカワの「ポケミス」なら、定価の10倍出してもいい本が何冊かはありますが。
今回の方が、なじみがある本が多いのは良かったんですが、やっぱりもっと知らないような本がいいかもって気がするから不思議です。バランスでしょうね。

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