「キングを探せ」法月綸太郎 ★★★半☆
「キングを探せ」法月綸太郎
講談社 ISBN:978-4062166201
2011年12月発売なのですが、感想を書くタイミングが悪くて、遅くなりました。
面白いという評判を結構聞いていたので、期待していたんですが、どうだったでしょうか。
作者の法月綸太郎さんの本は、あれ何も感想書いていませんね。そういえば、『生首に聞いてみろ』もなんだかタイミングが悪くて書けなかったんでしたっけ?いや、ブログを始める前だったのかも。
あ、『犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題』は感想書いてますね。作者の紹介もしているし、リンク貼っておきます。それから4年ですか。こんなに書くのが遅くて、喰っていけているんでしょうか?人ごとながら、心配になります。(苦笑)
ということで、感想行きます。
とりあえず、作者自身の紹介文を出版社ページから引用&改訂します。
作者からの紹介文:(公式より引用)
『キングを探せ』は、四枚のトランプ(チェスの駒ではなく)が語る、殺人カルテットの物語です。
「A」「Q」「J」「K」の四部構成で、新しいカードをめくるたびに死者が増えていく……。縁もゆかりもない男たちが手を組んだ四重交換殺人プロジェクトに翻弄されて、警察は手も足も出ない。
フレームの定まらない離散的な都市犯罪を相手に、圧倒的なデータ不足に悩まされながら、仮想ロジックを積み重ねて未詳の犯人「キング」をあぶり出そうとする名探偵、法月綸太郎。
警察小説やプロファイリング小説とは似て非なるアプローチの、クールでスタイリッシュな本格を目指しました。愉しんでいただければ幸いです。
感想:
どちらかというと、後期エラリィ・クイーンっぽい内容ですね。
名探偵・法月綸太郎が、複雑怪奇な事件の謎を解いていくというものではなく、どちらかというと「犯罪」側に重心がある。そんな感じです。なので、法月綸太郎シリーズの印象である、「がちがちの本格」かといわれると、ちょっと違う感じもします。
ただ、確かに謎とどんでん返しもあるので、本格なんでしょうけれど。
<以下、本の中身に言及している部分があります。犯人は明かしませんが、ある程度ネタバレしていますので、未読の方はご注意を>
小説の形態としては、上に書いた通り本格範疇に含まれるのでしょうけれど、やはり変格物と言った方がいいかもしれません。
「四重交換殺人の謎を解く」と言われると、コロンボのような倒置物が頭に浮かびますが、ちょっと違います。小説の構成からすると、イメージ的には綾辻行人のこの本に近い感じでしょうか。
ただ、小説としては、無理やり法月綸太郎ものにしない方が面白かったんではないでしょうか。それが足枷になっているというか、手紙の部分がどうしても納得できないというか。むしろ、オリジナル中編とした方が座りがいいのではないかという気がします。
その印象の原因となっているのが、前半の第1の事件というかAの視点で書かれている部分が重くシリアスであるのに対して、中盤からの法月綸太郎が直接の当事者でない軽い推理に終始することでしょう。言ってしまえば安楽椅子探偵ですね。
小説の構造上できないことではありますが、最初の事件のように、犯人視点の実行部分が中盤にもう一つあれば、印象はガラッと変わった気がします。
小説のトリックについては、タイトルを額面通りに捉えると本格にならないので、仕掛けがあるんだろうなとちょっと気付いてしまいました。確かにクイーンっぽいタイトルですが、ちょっと違う方が良かったんではないかな?
ただ、全体としては面白く楽しめましたので、本格好きの方には楽しめるんではないでしょうか。ただ、本格が苦手という方には、ちょっと向かないかも。
ということで、法月綸太郎せんせ、次はもう少し早くお願いします。

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